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2019年12月12日 5分でなっとく!今さら聞けない太陽光発電投資の基礎知識を解説

太陽光発電投資が気になるけれど、そもそも太陽光発電って…?
発電するしくみは?売電とは?どこが買い取って、価格はどう決まる?メリット・デメリットは?なぜ注目される?
…など、今さら聞けない太陽光発電投資の基礎知識を初心者にもわかりやすく解説します。


目次:

太陽光発電を含む再生可能エネルギーの役割
再生可能エネルギーとは
代表的な再生可能エネルギー・太陽光発電
発電された電気はどうなる?
電力会社による固定価格買取制度(FIT)
余剰電力買取制度と全量買取制度
太陽光発電とは
産業用太陽光発電(野立て)のしくみ
自家消費型と投資型

 

太陽光発電を含む再生可能エネルギーの役割

ご存じのように、国土の狭い日本はエネルギー資源の乏しい国です。日本のエネルギー源の80%以上を占める石油・石炭・天然ガス(LNG)といった化石燃料(化石エネルギー)は、海外からの輸入に頼っているのが現状です。また、地球温暖化防止という観点から、温室効果ガスを排出する化石燃料に頼らないエネルギー施策が求められてきました。そんな中、最も注目され、期待されているのが「再生可能エネルギー」です。

 

再生可能エネルギーとは

再生可能エネルギーとは、資源として限りのある化石燃料とは違い、太陽光や風力、地熱といった自然界に常に存在するエネルギーのことです。大きな特徴として、「枯渇しない」「どこにでも存在する」「二酸化炭素を排出しない(増加させない)」の3つのメリットが挙げられます。

2009年8月に施行された「エネルギー供給構造高度化法」註1では、「太陽光、風力その他非化石エネルギー源のうち、エネルギー源として永続的に利用することができると認められるものとして政令で定めるもの」と定義されています。具体的な再生可能エネルギー源としては、以下が挙げられています。

  1. 太陽光
  2. 風力
  3. 水力
  4. 地熱
  5. 太陽熱
  6. 大気中の熱その他の自然界に存する熱
  7. バイオマス(動植物に由来する有機物でエネルギー源として利用することができるもの)

註1:正式名称は「エネルギー供給事業者による非化石エネルギー源の利用及び化石エネルギー原料の有効な利用の促進に関する法律」

 

代表的な再生可能エネルギー・太陽光発電

再生可能エネルギーが主力電源になるよう、国も様々な施策を打ち出しています。そうした取り組みを受け、世界各国に比べまだまだ普及の余地があるとは言え、日本でも再生可能エネルギーの主力電源化が進んでいます。中でも、最も増強されているのが「太陽光発電」です。

※出典:資源エネルギー庁ウェブサイト
https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saiene/renewable/outline/index.html

 

再生可能エネルギーの主力電源化を推進し普及させるには、誰もが利用しやすいよう、再生可能エネルギーの発電コストを低減させていく必要があります。そのため、発電設備の技術開発はもちろん、固定価格買取制度(FIT=Feed-in Tariff)の導入や入札制の活用などが国を挙げて進められています。

 

発電された電気はどうなる?

 

太陽光発電をはじめとした再生可能エネルギーによって生み出された電力は、電力会社によって買い取られます。これを発電する側から見て、「売電」と呼びます。日本のエネルギー自給率向上や電力コストの低減化、産業育成を目的として、安定的な売電が行なわれるよう国が定めたのが「固定価格買取制度(FIT)」です。

 

 

電力会社による固定価格買取制度(FIT)

 

2012年施行の「電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法」(再生可能エネルギー特別措置法)によって、固定価格買取制度はスタートしました。再生可能エネルギーによって発電された電力を、電力会社が固定価格で一定期間買い取ることを義務付けた制度です。

※出典:資源エネルギー庁ウェブサイト
https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saiene/kaitori/surcharge.html

 

買取価格・期間については、再生可能エネルギー源の種類や規模などに応じて、中立的な第三者委員会(調達価格等算定委員会)が公開の場で審議を行ない、それをもとに経済産業大臣が告示します。国の主導によって買取価格と期間が担保されるわけですから、投資としても注目されるようになりました。

 

 

余剰電力買取制度と全量買取制度

 

また、「固定価格買取制度(FIT)」には、「余剰電力買取制度」と「全量買取制度」があります。

「余剰電力買取制度」は、“国民の全員参加”によって太陽光発電の普及拡大を目指すため、主に住宅用の10kW未満の太陽光発電設備を対象とする買取制度です。2009年11月からスタートし、2012年には「固定価格買取制度」に統合されました。家庭で消費しきれなかった余剰電力を電力会社が買い取るもので、「固定価格買取制度」で定められた買取期間は10年間です。

「全量買取制度」は、主に自治体や企業などの産業用10kW以上の発電設備が対象で、太陽光発電だけでなく、風力発電、小水力発電、地熱発電、バイオマス発電の5種類の再生可能エネルギー電力が含まれます。買取期間は20年間とより安定的なため、売電を専業とする発電事業者も増えています。

2018年、2019年の「固定価格買取制度」による太陽光発電の買取価格(調達価格1kWh当たり)は、以下のようになっています(2020年、2021年は現状未定)。

※出典:資源エネルギー庁ウェブサイト
https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saiene/kaitori/fit_kakaku.html

 

 

 

太陽光発電とは?

 

住居用の太陽光発電は、ソーラーパネルを屋根に設置したものをよく見かけますが、産業用の場合で、中でも500kW以上となると、より広い設置面積を必要とします。そのため、遊休地などを活用した「野立て」という設置方法を用いる場合が一般的です。

大規模なものは太陽光発電所、ソーラーファーム、ソーラーパークとも呼ばれます。特に出力が1MW(1000kW)以上の施設は、メガソーラーと称されます。

 

 

産業用太陽光発電(野立て)のしくみ

 

では、こういった太陽光発電施設で発電した電力は、どうやって電力会社に売電されるのでしょう?

下図をご覧ください。太陽の光エネルギーはソーラーパネルに設置された蓄電池に集積され、電力へと変えられます。先頃、ノーベル化学賞受賞で話題となったリチウムイオン電池は、その代表的な蓄電池です。太陽光発電所内のパワーコンディショナーや充電メーターなどを経由して、電力会社の電柱などに取り付けられた変圧器へと送電されます。そして、家庭や企業など、私たちが日常的に使用する電力として役立てられるのです。

 

 

自家消費型と投資型

 

産業用太陽光発電にも、もちろん、自治体や企業が電力を自家消費するための施設もあります。近頃では、工場・商業ビルなどの屋根や屋上にソーラーパネルが設置されているのをよく見かけるようになりました。また、エコカーの普及により、ソーラーパネルを設置した街中の充電スポットも増えています。

これに対し、野立ての場合は、そのほとんどが売電用、投資用です。事業者が開発・運営する太陽光発電所のほか、再生可能エネルギーの主力電源化を推進し、同時に財政源とするため、以下のような自治体が所有する売電型の太陽光発電施設もあります。

※出典・参考:ウィキペディア(Wikipedia)「日本の太陽光発電所」
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%AE%E5%A4%AA%E9%99%BD%E5%85%89%E7%99%BA%E9%9B%BB%E6%89%80
(新地エネルギーセンターのみ参考:日本環境技研 http://www.jes-corp.co.jp/?p=998

 

 

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