目次:
太陽光発電所ができるまで
― そもそも太陽光発電所とは?
― 太陽光発電所の造り方
ステップ1:現地調査・用地取得
ステップ2:事業計画策定・各種申請
ステップ3:造成・整地・資材調達
ステップ4:架台設置・パネル配置
ステップ5:電気工事
ステップ6:フェンス取付け
ステップ7:標識・看板の設置
ステップ8:検査測定・集電
ステップ9:系統連系
進化し続ける太陽光発電設備(まとめ)
最近は、太陽光でスマホなどを充電できるソーラーチャージャーも普及し、非常に身近になってきた太陽光発電。屋根にソーラーパネルを設置している住宅も、よく見かけるようになりました。建物の屋上や壁面にも設置できて、比較的メンテナンスも容易なことから、電力会社以外の自治体や企業が自家発電用に建設する例も増えています。
売電用の太陽光発電施設は遊休地を利用するのが一般的ですが、大規模な施設となると、どうやってできるのか、ちょっと想像がつかないかもしれません。そこで、今回は、太陽光発電所の造り方についてご案内します。
電力を生むための発電装備や設備、送電設備、その運用や管理を行なうための設備で構成される施設を「発電所」と呼びます。火力発電所や原子力発電所があるように、太陽光を受けて電力へと変換する太陽電池を発電装備としているのが「太陽光発電所」です。
「ソーラーファーム」や「ソーラーパーク」とも呼ばれ、特に出力が1MW=1000kW以上の大規模な施設は一般的に「メガソーラー」と称されます。
経済産業省 資源エネルギー庁では、太陽光発電をはじめとする再生可能エネルギーの普及と国民の理解を深めるため、設備見学や施設体験ができる「次世代エネルギーパーク」の取り組みを推進しています。テーマパークのようにご家族みんなで楽しみながら、しくみが理解できますので、休日を利用して訪れてみてはいかがでしょう。
太陽光発電のある全国の主な「次世代エネルギーパーク」は、以下の通りです。
※参考:経済産業省 エネルギー庁「次世代エネルギーパーク 再生可能エネルギーを楽しく学ぼう! ガイドブック」
では、太陽光発電所はどのように造られるのでしょう?太陽光発電所が稼働するまでの工程を、ステップに沿ってご紹介します。
ここでは、遊休地を利用した弊社の野立て太陽光発電所が完成するまでのステップをご紹介します。
ステップ1:現地調査・用地取得
まずは太陽光発電に適した土地探しからスタート。土地の形状や起伏、地盤など、測量と地質を調査。日照の良い場所の選定はもちろん、周囲に反射の影響を受ける場所がないかどうかも調査します。その後、土地を購入し取得します。
ステップ2:事業計画策定・各種申請
土地を決定したら、発電容量やパネルメーカーの選定、パワーコンディショナーの選定、架台の設計などを行ないます。事業計画を策定した上で、太陽光発電には電力会社と経済産業省、2つの申請手続きが必要となります。
電力会社の送電線(電力系統)と接続するための「接続契約」と、固定価格買取制度(FIT)を利用して売電するための「特定契約」を結ぶための申請をします。付近の変電所や送電線の許容範囲に問題はないか検討され、また同時に電力会社の送電網に繋ぐための連系費用も計算されます。
立地と設備について詳細が検討され、事業計画の認定を受けます。紙申請と電子申請、2種類の方法がありますが、今は以下のような電子申請が一般的です。
※出典:資源エネルギー庁ウェブサイト
(https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saiene/kaitori/fit_nintei.html)
ステップ3:造成・整地・資材調達
建設地の造成、除草などの整地をします。場合によっては、地盤の強化や近隣の伐採なども行ないます。これと並行して、具体的な設備や機器などの資材を発注し、工事内容やスケジュールも決定されます。
ステップ4:架台設置・パネル配置
基礎工事の後、設計図に従って杭打ちや架台を設置し、パネルの配置を行ないます。
ステップ5:電気工事
太陽光パネルやパワーコンディショナーに必要な配線工事を行ないます。パワーコンディショナーとは、太陽光パネルが発電した電力を、直流から交流に変換するための機器です。
ステップ6:フェンス取付け
改正FIT法では、柵の設置が義務付けられていますので、太陽光発電所内に入れないよう周囲をフェンスで囲みます。
ステップ7:標識・看板の設置
20kW以上の野立て太陽光発電所には、標識・看板を外部から見やすい位置に設置することも、改正FIT法により定められています。太陽光発電所には、通常、発電時に作業員が常駐していることは稀ですので、万一の緊急時に連絡が取れるようにするためです。
※資源エネルギー庁「事業計画策定ガイドライン(太陽光発電)」(2019年4月改定)より
ステップ8:検査測定・集電
パワーコンディショナーの動作テストを行ないます。問題がなければ、発電された電気を集電し連系の最終準備を進めます。
ステップ9:系統連系
完成した発電所を電力会社の電力系統に接続し、発電した電気を送電線へ流します。太陽光発電所の運転開始です!
今回は、当社の野立て太陽光発電所を例に、造り方の工程をご紹介しました。当社でも、運転開始の際、オーナー様に立ち会っていただくこともありますが、太陽光発電所ができるステップを最初から最後までご覧になるのは、時間的にも、距離的にも難しいかと存じます。ご参考になれば幸いです。
限りある化石燃料に代わって、主電源となることが期待される再生可能エネルギー。なかでも、代表的な太陽光発電は、進化するITやエンジニアリング技術と共に、設備そのものはもちろん、造成やメンテナンスなどもどんどん安全性や効率性を高めるため進化し続けています。そんな太陽光発電に関する情報をこのコラムで発信してまいりますので、どうぞお楽しみに。
太陽光発電所の購入をご検討中、またはご質問のある方はお気軽にお問い合わせください。
弊社では個別商談会も行っております。